養育費の支払いについて公正証書を作成するメリットとは
養育費の支払いが決まった際には、公正証書の作成を検討することになります。
しかし、作成方法がわからない、どのようなメリットがあるかわからない等の理由で作成を迷っている場合もあるかもしれません。
この記事では、養育費の支払いについて公正証書を作成するメリットについて解説します。
公正証書とは
公正証書とは、公証役場において、公証人と呼ばれる専門家によって作られた公文書のことを指します。
そして、公正証書のうち養育費の支払いに関するものには「離婚給付等契約公正証書」という名前がついています。
この証書には、財産分与など離婚に関する他の項目に関しても記載することが可能です。
また、公正証書は法的な正確性・有効性が担保されているため、強制執行などの場面で使用する際に、証拠としての価値が離婚協議書など他の書面よりも高いです。
加えて、原則として20年間保管されるものであるため、紛失してしまったり、偽造されてしまったりといった心配がないというのも大きな特徴です。
養育費の支払いについて公正証書を作成するメリット
養育費の支払いに関して公正証書を作成することには以下のようなメリットがあります。
●証拠が確保されトラブル防止につながる
まず、公正証書作成によって証拠が確保されます。
養育費の支払いに関する合意があっても、口約束だけでは十分な証拠とはなりません。
しかし、公正証書を作成すれば養育費の支払いの合意が正式に確認され、法的にも有効な証拠の書面が残ります。
そのため、後から合意内容について、条件が違法であったことやこのような内容の合意をしていないことなどを主張され、紛争が蒸し返されるような事態を防ぐことができます。
●合意内容が明確になる
次に、公正証書を用いることで合意内容を具体的に明示することができます。
養育費の支払いに関して、具体的な金額や支払い日などを公正証書に明記することで、双方が納得した条件を明確にすることが可能です。
これにより、支払いにおける誤解やトラブルの予防ができるとともに、将来の紛争を回避するための有効な手段となります。
●強制執行ができる
さらに、公正証書は強制力を持ちます。
養育費の支払いに関する公正証書は、相手方から支払いが滞った場合に裁判所に提出し、強制執行の手続きを取ることができます。
この時、養育費の支払い義務に関する具体的な記載や、執行受諾文言が付されている必要があるため、公正証書作成の際にはこれらの文言を書き漏らさないことに注意しましょう。
●心理的拘束になる
最後に、公正証書を作成することによって相手方を心理的に拘束することができます。
公正証書はその内容を争うことが難しく、強制力も持っています。
そのため、相手方は養育費を支払わなければならないという気持ちになり、スムーズな支払いが行われることが期待できます。
離婚については菅野法律事務所にご相談ください
公正証書は養育費の支払いに関する合意を証拠として残し、強制力で支払いを確実にすることができるため、養育費の支払いに関する問題を未然に防ぐための有効な手段であり、公正証書作成のメリットは大きいため、積極的に作成するべきものだといえます。
養育費や公正証書に関してお困りの場合には、専門家である弁護士への相談をおすすめします。
菅野法律事務所は、離婚に関する様々な法律相談を承っております。
当事務所は、お客様のご希望に沿った事件の解決方針を検討し、依頼者一人一人のためのリーガルサービスを提供します。
「養育費について離婚協議書に記載したい」「別居中だが離婚の条件を決めたい」など、離婚問題でお悩みの際は、菅野法律事務所までご相談ください。
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菅野 澄人/かんの すみと
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- 所属
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- 特定非営利活動法人 日本・インドネシア医療連携協会 理事
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- 略歴
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