【弁護士が解説】離婚調停申し立ての流れや注意点など
離婚に向けた話し合いがうまく進まないとき、家庭裁判所の調停制度を活用する方法があります。
離婚調停では、調停委員が間に入り、夫婦間の合意形成をサポートしてくれるため、冷静に話し合いを進めることが可能です。
この記事では、調停離婚の流れや注意点などをわかりやすく解説します。
離婚調停とは?
調停離婚は、家庭裁判所で中立な立場の調停委員(通常男女1名ずつの計2名で構成される)を交えて離婚について話し合い、合意を目指す手続きです。
夫婦間の話し合いだけでは解決が難しかったり、そもそも話し合い自体が難しかったりする際に役立ちます。
離婚調停の流れについて
一般的な離婚調停の流れについて、順を追って見ていきましょう。
1.調停の申し立て
離婚調停は、離婚を希望する側が必要な書類を揃え、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てることが必要です。
2.期日の日程調整と相手方への通知
申し立てから1~2週間ほどで、裁判所が日程を調整し、調停期日を決定します。
日程が決まると、裁判所は相手方へ調停期日の通知書や調停申立書などの資料を送付し、出席を要請します。
3.初回の調停期日
夫婦双方が裁判所に出頭し、調停委員が双方の事情や要望を個別に聞き取りを行いますが、初回で合意に至るケースはほとんどありません。
合意に至らなかった場合、次回までの検討事項や必要書類が伝えられます。
相手方が初回期日に出頭しない場合でも、申立人側の意見を聞き取り、次回期日を設定します。
裁判所から相手方に出頭要請が再度行われますので、1回の欠席で調停が不成立になることは稀です。
4.2回目以降の調停期日
前回の課題について、各当事者からの検討結果を踏まえた話し合いが行われ、その際は調停委員が進行役となり、夫婦それぞれが歩み寄れる部分を探って合意点を見出します。
子の親権や面会交流などが争点となっている場合は、家庭裁判所調査官による調査が行われることもあります。
5.調停の終了
夫婦間で合意に達すれば調停成立となり、合意内容が調停調書として文書化されて終了します。
調停調書は、判決書と同様の法的拘束力を持つため、当事者はその内容に従わなくてはいけません。
合意の見込みが立たない場合、調停不成立(不調)として終了しますが、離婚を望む場合は、離婚訴訟を提起する必要があります。
調停離婚の注意点
調停委員は中立的な立場ですが、自分の主張を明確に伝えなければ、不利な条件で合意してしまう可能性もあります。
調停が成立すると、後から内容に異議を唱えることは非常に難しいため、疑問点や納得できない点を解消しておくことが重要です。
まとめ
離婚調停とは、中立的な立場の調停委員を介した夫婦の話し合いによって離婚を目指す手続きです。
調停の流れは、申し立て、期日調整、調停期日を経て、合意に至れば調停成立、合意に至らなければ調停不成立となります。
調停離婚では、自分の希望を明確に伝え、納得した上で合意することが重要ですので、疑問や不安があれば、弁護士に相談しましょう。
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